「漏水調査」とは、地中に埋設されている水道など配管の水漏れ箇所を修理するに際し、漏水発生地点を特定する技術です。

地下の配管漏水箇所(欠損口)から漏れ出した水量は、地下で徐々に埋設土を流失させながら「水みち」を形成する特性を有し、地下密圧が低い場合は地上面へ滲出し、水溜りとなって発現します。

その一方、地上面がコンクリートやアスファルト等で舗装されている、配管の深度が深い、漏水量が少量、地下密圧が高い(施工時の転圧が良好)、配管の輻輳や他の配管の下層に目的の配管が埋設されている等、現地状況によっては地上に漏水は現れません。

地表面が普通の「土」の状況でも地上に現れないケースが多々あります。

その様な場合に漏水調査を行う事となります。
調査について分類すると、「掘削」によるものと、「非掘削」によるものに大別されます。





「掘削」による調査は、一般の水道会社様や設備業者様で行われている調査方法です。

読んで字のごとく、職人さんが水道管を追いかけ掘り進めながら水漏れ部位を目視で発見するものです。目視により直接的に漏水を探す事から、調査分野では「直接調査」に分類されます。

住宅の庭先など配管長が短く、配管の位置も確実で地表面が非舗装であれば、職人さんが手堀りしながら調査した方が手っ取り早い場合があります。

それに対し、漏水量が微量な場合、配管の位置が明確でない場合、地表面がコンクリートなどの舗装面の場合では、むやみに掘削したり、アスファルトやコンクリート等舗装面を開削しても作業時間と労力が増える一方で成果を見通すことが難しくなります。





「非掘削」による調査は、私たち専門の調査会社によって行う調査方法です。

これは掘削をせずに探査機を使って非破壊で検査するもので、超音波信号、地下構造、誘電率など物理現象を解析する事により漏水箇所を探知します。専門的には「間接的定量調査」と呼ばれ分類されています。

旧来は「音聴調査(おんちょう調査)」や「ガス調査」が代表でしたが、
近代ではより高精度な解析手法が開発されました。

それは、旧来の調査工法では対応が難しくなってきたという技術的課題要求によるためです。

少し大きな視点から今の社会を見ると、地下を安全かつ有効に活用しようとゆう「大深度化」により、インフラ構造は大きく多様化しています。

身近な暮らしに関係するものでは、「送電線の地中埋設化」、「下水処理施設の高性能化」、「交通網の地下化」等が分かりやすいと思います。また、推進工法など土木技術の発展により、配管の埋設環境も変化しました。

また、地表面に関しては、コンクリートやアスファルトの良質化や、タイルなど様々な舗装仕様が登場しました。

これらの事から、昔の調査工法だけでは対応が難しくなった為、新しい調査工法が開発されました。社会の構造変化に合わせて、漏水調査技術も進化したという事ですね。




それでは実際の漏水調査について見ていきたいと思います。

効果的な調査を実施するには、調査地の立地、配管の埋設深、材質、漏水量、地表面の舗装状況に加え、規模的な現場では地層構造、地下水位などについて考察した上で調査工法の適性を検討しなければなりません。

分かりやすい例でご説明すると、
トレーサーガス調査(配管の中へ乾燥空気よりも軽量の検査ガスを注入し、漏水箇所から漏れ出して地上へ浮遊してくるガスを測定器で濃度測定する事で漏水箇所を見つける旧来型の調査方式)が挙げられますが、
もし、お客様の敷地がコンクリートやタイル、アスファルト等で舗装されている条件では、検査ガスは地表の舗装層で遮蔽されるので地上へは浮上しにくくなりますね。そうすると、地上の測定器側は漏水反応を示さなくなります。

その様な現場では、たとえお客様のご要望であったとしても、
ガス調査では適性が低い事をご説明し、代替となる工法をご提案しなければ、
漏水箇所を特定するという本来の目的から外れてしまい、
単なる労務を提供しただけに終わってしまいます。これでは技術者としての資質も問われてしまいます。





技術の適性を検討せずやみくもに実施しても、成果を出す事は難しくなります。

これは漏水調査を含め地下探査関連の技術に携わってきた経験から得た教訓であり、
現場の大小に関わらず最善の体制で臨んでいこうという気持に立たせてくれている貴重な財産です。

「偏りのない視点で技術と真摯に向き合う」これは当たり前の事だと思いますが、工業、医療などあらゆる技術に携わる立場において大切な姿勢なのではないでしょうか。


「調査」と聞くと、なんだか難しそうな人達がいそうだなと印象を持たれる方もいらっしゃるかと思いますが、
特別なものではありません。
技術を扱う者だからこそ、独りよがりではいけない訳で、積極的に多くのお声に耳を傾け柔軟な姿勢でなければなりません。


調査が終わったお客様へその後の様子についてお電話させて頂く事があるのですが、
お客様から「漏水箇所ピッタリでしたよ!」と有り難いお声を頂くと、私もやはり人間ですね、とても嬉しくなります。

長くなりましたが、弊社も含め私たち調査会社について少しでもお分かり頂けたなら幸いです。


有限会社ルーテン 代表取締役 照屋幸照



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