2024.06.30
技術
路面下パイプライン 地下状況・漏水箇所の複合調査
漏水調査の方法は、弊社ホームページ「漏水調査の種類」で紹介してきました。
そこで…調査方法はどこも同じなのかという疑問を持たれている方もいると思います。
音聴調査?トレーサーガス調査?相関式調査?
以外にも「地中レーダ法」・・・
当回の記事では、電磁波を使った特殊な調査方法に迫り、少し技術的な観点でご説明します。
地中レーダは埋設物探知の現場で知っているという方が大半だと思います。
弊社でも、以前から水道管の位置や埋没したマンホール、残置障害物、そして地下空洞や陥没といった調査に活用してきました。
実際、漏水の現場で地中レーダを動かしていると、居合わせた現場の方から、何の調査??とよく聞かれます。
地中レーダ法は電磁波(パルス波)による探査技術です。その一方で、電磁波の特性を考えると「みず場」では基本的に使わないというのが普通です。
これは電磁波が水分による干渉(減衰)を受けるという物理的特性による為です。
では何故、あえて漏水調査に使うのか?といった疑問。
道路に埋設されている様な一定規模の埋設管では、実際の現場スケールから見ると、漏水箇所のみならず、その周辺地盤の構造が土木的に問題となります。
漏水箇所では、配管欠損口から管外へ漏洩した水量によって、周辺の埋設土が削りとられる事により、水量が滞留し、その結果、地下構造に不均一性が生じます(埋設土流失)。
そこで、考え方を転換し、電磁波の不均一性に着目することが出来れば、地下構造の異状をとらえる事が可能となります。
これが地中レーダ法による漏水調査となります。
地中レーダ法では、解析によってその結果が左右されるため、弊社においても経験、知識を有した専門の技術者が行っています。現場ではリアルタイムで地下状況を把握できるため、速度的な調査が可能であるという大きな利点を有しています。
次回の地中レーダ関連記事では、実際の調査レポート、掘削結果を踏まえご説明したいと思います。